曖昧なものを曖昧なままにする ~スマホを捨てたい子供たち 著 山極寿一~
近年言われている、現代病(鬱や生活習慣病など)や希薄な人間関係について『スマホ』と『ゴリラ』という一見比較できなそうな例を用いて説明している本書。
面白い!!
非常にわかりやすい!!
ゴリラ研究の第一人者である著者だからこその作品だと思います。
内容としては、いわゆるSNSの問題点として挙げられている感情の伝わらなさ、異常な批判などの原因について触れる部分もあります。
しかし、本書がほかの作品と大きく異なるのは、人間を霊長類として扱い、ニホンザルやゴリラ、チンパンジーと比較することで、
本来のコミュニケーションとは何なのか?
人類が他の霊長類とどこが異なっているのか?
そのにスマホがどのように影響しているのか?
ということが述べられています。
はっきり言って、理系の人にとっては、研究対象に向き合う姿勢も学べます(笑)
ネタバレになりますが、
この著者、ゴリラ二頭に襲われて血まみれになったことあるらしいです(笑)
そんな中で調査をし続けるとか、狂人ですよね、、、、
とまあ、それは置いておいて、本書のキーワードに触れると
「容中律」「排中律」
です。
前者は、0と1の間を認める考え
後者は、0か1のみであるという考え
です。
現代の社会では、敵か味方か、好きか嫌いかなどの意見が多く、特にネット上で起こる炎上とかはすごくわかりやすい排中律の概念を反映していると思います。
それは悪だ!
いや、善だ!!
って二つのグループに分かれてゴーゴー燃える。
筆者が、どうしてこの状況が生まれるようになったのかについて、
「五感を使わなくなったのが一つの原因だ。」
とおっしゃっています。多分。(読解力弱くてすみません、、、)
ぼっちめし、引きこもりなど他者とのつながりが薄くなったり、
視覚、聴覚などではなくGPSによりまっすぐ目的地に行く
こういうことの積み重ねにより、五感が鈍り、いわゆる現代病になっていくのだと、、、
まさにそうだなと思いました。
ここから簡単な感想ですが、
やっぱり人生、どうにもならないことはあります。
そんな壁にぶつかったとき、五感が鈍っているとどうなるんでしょう。。。
たぶん、考える力(直観力?)が鈍っているので自分では何も生み出せない。
じゃ、どうやって解決しようか?
そうです。
ググるんです。
きっと。
みんな、ネットに頼って解決するんです。
そこに乗っている情報は、他人のものであって今の自分の環境を改善するものではないのに、それにすがるんです。
それって何も解決してないんだなと思いました。
僕もよく検索するんですけど、特に身についてる実感はありません。だって、同じサイトを何度も見たりしますもん。
あれ?これ読んだな。って。
つまり身についていないんです。
けれど、
今まで自分がぶつかってきた壁、それを自力で乗り越えたことについてははっきり覚えているんです。
ついさっき読んだネット記事は忘れているのに、自力で生み出したものについては覚えている。自分の力になっているんです。
うん。
GAFAと呼ばれる素晴らしい企業が世界のネット環境を一変させましたが、人間てそんな速度で変われないなーってことを感じました。
正しい言い方かわからないんですけど、デジタルデータを排中律、アナログデータ(五感情報)を容中律としたら、
デジタルデータは効率性
アナログデータは人間性
を担っているんじゃないかな?
と考えました。
本書は、二時間もあれば一通り目を通せると思います。
その一方、考えることは多いです。
コスパ最高!!(笑)
非常にお勧めします。
でたらめな文章かもしれませんが、考える力を身に着けるためにもこのような配信をしていくつもりです。
何か意見があればコメントをください。
温かく見守ってい頂けたらと思います。
では。