修士論文作成という名の地獄 #1
ここ最近、研究室に引きこもっているばっかりで全然自分の時間をとれていないので、とりあえず、こんなテーマでつらつらとあと一か月くらい行くと思います。(笑)
修士論文って何がつらいの??
おそらく、論文作成というものとかかわりのない方は全くその大変さ、理系学生が泣きながら書き上げる辛さが伝わりにくいと思うので簡単に説明していきたいと思います。
特に触れてこなかったですが、僕自身は国公立大学で鉄鋼材料について研究しています。
これを例として、どんな感じで修論を書いているか説明していきます。
まず、僕の場合は全五章で構成しています。
一章 : 緒言
二章 : 実験方法
三章 : 実験結果
四章 : 考察
五章 : 結言
こんな感じです。
流れとしては、
- 研究を行う理由、目的(緒言)
- 目的を達成するための手法(実験方法)
- 得られた実験・解析結果(結果)
- 後述します。(考察)
- 本研究における要点
この中で書き上げるのが大変かつ、論文に慣れていない人にとって分かりにくいのは、緒言と考察ですね。
それ以外は、聞けばなんとなく書きたいこととかが分かると思います。
じゃあ、緒言と考察って何?
何が大変?
ってところに触れていきます。
緒言って何??
緒言というのはその研究になぜ取り組んだのか?
何を解明するために研究を行ったのか?
という、その研究自体の価値やモチベーションを示す部分になります。
そうです。
聞いたらわかると思いますが、緒言が最も大事といっても過言ではないです。
この部分について十分に思考を巡らせ、とにかく具体的にそしてわかりやすく書けていないと、学会などの発表の場で
「この研究って何の意味があるの???」
という、学生の心を一瞬でへし折る、教授たちの会心の一撃が炸裂することになります。
なお、ほぼすべての学生は学部か修士のどちらかで必ずこの攻撃を食らい、その心の中で
「知らんがな。こっちが聞きたいわ。」
と、つぶやきます。
ここまでが通過儀礼みたいなものです。(笑)
で、じゃあ、どうやったら具体的(論理的)でわかりやすいものが書けるのかと言ったら、単純明快です。
ひたすらに過去の研究論文を読み漁るのです。
これしかない。
数十本以上の論文をあさり、自分の研究分野で足りていないこと、どこまでが解明されておりどんな研究結果があるのか、そしてその不明な部分を解明することによる利点などをデータ、つまり数値やグラフで可視化して示さなくてはいけないのです。
僕の場合ですと、鉄鋼材料というのは特性を向上させるために合金(アルミやチタンなどの金属元素や炭素などの非金属元素)を添加していきます。
その中で、自分の研究対象はどのような性質が得られると思うのかってことを、過去の研究論文を参考に、
「こっちの論文ではこの組成でこのような結果が出てます。」
「一方、こっちの研究ではより安価な合金を使うことで先ほどの論文と同じ結果が得られています。しかし、どうしてそのような性質が得られたのかはわかっていません。」
「だから僕の研究では、その仕組みを解き明かし、応用することで更なる特性の向上を実現します。」
的なことを、文献を参考にして書くのです。
僕の研究室では、先生方が参考文献を一部教えてくださるので、その文献で参考にしている論文とか、その論文を引用している論文とかをひたすらに読みます。
割と手当たり次第に読む感じです。
ある程度経験を積むと、論文の概要と図表を見ることで内容を把握できるという謎の技術が身に付きます。(笑)
実際に緒言を書くときには、
どの順番で説明するのか、
どの文献を参考にするのか
などをひたすら考えなくてはいけません。
短ければ伝わらないし、長すぎれば重要な点がわからなくなるし、ほんと大変です。
先生方の添削を受けてどうにか書き上げましたが、もう現時点で残りHP1って感じです、、、
考察って何?
考察とは、研究を通して得られた結果に対して、どうしてそのような結果が得られたのかを必死に考えることです。(笑)
これ、説明しにくいので日常的なことで例を挙げますと、
- 水を加熱していくと、沸騰が起こった。(結果)
- なぜ沸騰が起こったのでしょうか。(考察する内容)
- 文献より飽和水蒸気圧が大気圧と同等となると沸騰が起こるということが報告されている。データ解析すると確かに同じ条件で沸騰が起こっている。つまり、飽和水蒸気圧が大気圧と等しくなったから沸騰したんだ。(考察)
って、感じです。
すごく雑ですので、ちょっと違うぞと思った方はコメントにて指摘ください、、、
この考察がなぜつらいのかというといくつかあるのですが、
- 結果をどのような視点で見るのか。
- どのようにデータを解析するのが適切か。
- 過去の文献と比較して自分の考察は適切か。
ということを考えなくてはいけないのです。
すごく難しい。。。
結果を整理するだけでもつらいのに、その結果をより深堀するのはもっと大変。
教授や、過去の文献を参考にしてひたすら考察するのですが、得られたデータの中で予想に一致しないことが必ず起こります。
こうなると、泥沼に落ちていきます。(笑)
ここをどのように乗り越えるかが、きっと科学者に求められる力なんだろうなと思います。
僕は、苦手です。
だから、研究者向いていないなっていうのを日々実感しながら頑張ってます。
ほんと、自分って無力だなということを思い知らせてくれるのが考察です。(笑)
どうでしょう?
簡単に辛い点をまとめてみました。
もし、来年修論書きますって方や、いま、同じように悩んでますって方いたらコメントください。
それでは、もう夜も遅いので。
では。。。